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「物語のように」ライナーノーツ by 安田謙一（ロック漫筆）

坂本慎太郎の新しいアルバム。一度も聴いたことがない曲ばかりがまとめて届いた。
_一曲目は「それは違法でした」。リズムボックスとミニマルなテーマのビートに乗って、エフェクトをかけたスティール・ギターが気体のように舞い、KEN KEN （Ken2dSpecial, Urban Volcano Sounds）のトロンボーンが終始落ち着きのない子供のようなソロを奏でる。「違法」という強い言葉とは別に「気になって来てみた」というあまりにも適格な表現に気持ちが騒ぐ。
_次の「まだ平気」はブラス・バンドがファンクを演奏しているようだ。菅沼雄太がダイナミックなフィルをキメる。「元気」に「平気」が寄り添うと、「元気」が一気に脆くなる。空元気みたいに、空平気（からへいき）というものもある。
_「物語のように」からアルバムのムードが変わる。一曲目が奇妙なアヴァン・タイトル、２曲目はスリリングな導入部、そこから（あくまで曲調だけの印象は）ポップスと呼ぶに相応しい、懐かしく、人懐っこいサウンドが簡潔なギター・コンボのアレンジで表現される。この曲に限らず、AYAのコーラスがどうかと思うほどチャーミングだ。
_「君には時間がある」はサーフ・ロックのスタイル。この文章を書くためにインタビューめいたことはしていないが、「いまアルバムを出した理由は」という問いにはこの曲が答えてくれる。冴えまくったギター・ソロはイスラエル人のギタリスト、チャーリー・メギラを彷彿とさせる。メギラに寄せられた「身近でありながら、まったく異質な存在」という評価をここで再利用してみたい。
_「悲しい用事」。ツイスト・ロックが続く。これもまた軽い。「悲しさ」のフォルムをこれほど具体的に描写した曲はそうはない。
_「スター」の歌詞は「悲しい用事」と繋がっている。とてもスロウでとても美しい曲。つい最近、私も別の場所で、「スター」という表現を同じ気持ちで、人生ではじめて使った。
_「浮き草」。サザン・ソウル風のリズム。この曲に肯定されるであろう多くの人たちに思いをはせる。大丈夫ＭＡＮブラザーズたちに。
_３曲目からの流れがあるから余計に「愛のふとさ」のノアールな官能美が際立つ。西内徹のアーベインなソロに蕩ける。「おお、夜がうねる」に思わず身をよじる。つげ義春「夜が掴む」と同じように、夜は生き物だ。
_一転「ある日のこと」の寓話に頬は緩む。ほんわかしたムードに乗って、普通にやることのぎこちなさが徹底的に歌われていく。まるで私の日常だ。「見たんか」と言いたくなる。
_「恋の行方」。第一話「煩悩」、第二話「本能」、第三話「衝動」…。最終回があるなんて考えないように、このドラマを生きている。
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_アルバムのスリーヴ画とは別に写真家、和田高広による坂本慎太郎の新しい肖像写真が発表された。坂本龍馬が右手を懐に入れた写真で馴染みが深い、幕末の時代に使用された湿板写真の技法が生み出す独特なムードに見入りながら、そういえば今の日本も鎖国していることを思い出した。
いつものように、すべての曲につけられた英題が、音楽はなにもなかったような顔でどの国へも行き来できることを示している。
坂本慎太郎のポップスが越えるものは国境だけではない。坂本が歌うウォウウォウオやイェイェイェは私の心の中にある、もやもやした網目を飄々とすり抜けていく。また10曲も入ってきた。
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安田謙一（ロック漫筆）

2022.6.3 | zelone records

CD購入者特典

*All special offers are limited in quantity and will be discontinued when the planned number of items are sold out.

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– Kokubunji Tyou Yamada-do→https://star.ap.teacup.com/nyanyanya319/

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– Mezurashiya Records → https://twitter.com/mezurashiya/status/1532183428212281349

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2022.6.2 | zelone records

坂本慎太郎ニューアルバム「物語のように」から、タイトル曲のMV公開！

– “Like A Fable / Shintaro sakamoto” (Official Music Video)
https://youtu.be/u-tuoyhlrhk

Digital (DL/ST) Links: https://linktr.ee/shintarosakamoto_official

2022.5.19 | zelone records

Pre-save/Pre-add

The title song “Like A Fable”, from Shintaro Sakamoto’s new album (3 June), will be released on May 19 as lead digital single.

▼Pre-save/Pre-add

GL (except Japan):https://shintarosakamoto.ffm.to/likeafable

2022.5.12 | zelone records

RSR 2022 in EZO

公式HP→ https://rsr.wess.co.jp/2022/

2022.4.28 | zelone records

坂本慎太郎、6年ぶり4thアルバム「物語のように」

Shintaro Sakamoto’s fourth solo album, Like A Fable, will be released on Friday, June 3rd.

Six years since his last album, Love If Possible, Shintaro Sakamoto has completed his fourth solo album, Like A Fable.

The album’s ten songs describe everyday life in a world undergoing dramatic changes in the midst of a pandemic. Sakamoto continually updates his sound, and with Like A Fable, he has made his best pop album yet.

Like his previous albums, Like A Fable was recorded with the longtime members of the Shintaro Sakamoto Band: Yuta Suganuma on drums, AYA on bass and backing vocals, and Toru Nishiuchi on saxophone and flute. KEN KEN (Ken2d Special, Urban Volcano Sounds) guested on trombone on two tracks.

Soichiro Nakamura engineered and mastered the album.

Like A Fable will be released digitally worldwide, and on CD in Japan, on Friday, June 3rd.

The 2-CD set will include a disc with instrumental versions of all the songs on the album.

Shintaro Sakamoto made the artwork.